職場の上司の出産は、チームにとっても大変喜ばしいニュースです。公私にわたりサポートしてくださる上司へ、感謝と祝福の気持ちを込めて、素敵なプレゼントを贈りたいと考えるのは、とても自然なことでしょう。
しかし、相手が目上の方であるからこそ、友人や同僚へのプレゼント選びとは異なる、細やかな配慮とビジネスマナーが求められます。品物選びや金額、渡すタイミングを一つ間違えると、良かれと思ってしたことが、かえって相手に気を遣わせてしまったり、失礼にあたってしまったりする可能性もゼロではありません。
この記事では、そんな上司への出産祝い選びに悩む方のために、贈るかどうかの判断基準から、失礼にならない金額の相場、知っておくべき贈答のマナー、そして本当に喜ばれるおすすめのギフトまで、あらゆる情報を網羅的に解説していきます。
上司への出産祝いを贈るかどうか迷った際の判断基準

まず最初に、「そもそも、上司に出産祝いを贈るべきなのだろうか?」と悩む方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと、必ずしも全てのケースで贈らなければならない、というわけではありません。
大切なのは、職場の環境や上司との関係性を考慮して、ケースバイケースで判断することです。
日頃からお世話になっているか
判断の基本となるのは、日頃の上司との関係性です。仕事でいつも親身に指導してくれたり、困ったときには相談に乗ってくれたりと、個人的に深い感謝の気持ちがある上司であれば、ぜひ積極的にお祝いの気持ちを形にしてお伝えするのが良いでしょう。
個人的な付き合いがほとんどなく、業務上の関わりのみ、という場合は、無理に個人で贈る必要はなく、部署でまとめて贈るなどの形を検討するのがスマートです。
出産祝いを贈る風土が会社にあるか
会社や部署に、お祝い事を皆で祝うような慣習があるかどうかも、重要な判断基準です。過去に、他の社員に出産祝いを部署一同で贈った前例があるならば、それに倣うのが最もスムーズです。
個人的に贈るか、連名で贈るか、あるいは何もしないのか。まずは、職場の先輩や同僚に相談し、足並みをそろえるのが、失敗のない選択といえるでしょう。一人だけ高価なものを贈ったり、逆に一人だけ何もしなかったり、という事態は避けるのが賢明です。
上司への出産祝いの相場
出産祝いを贈ることを決めたら、次に気になるのが金額の相場です。上司へのお祝いは、高すぎても安すぎても失礼にあたる可能性があるため、一般的な相場を把握しておくことが大切です。
個人的に出産祝いを贈る場合
特にお世話になっている上司へ、個人的にプレゼントを贈る場合の相場は、3,000円から10,000円程度が一般的です。あまりに高額なものを贈ると、かえって上司にお返しの気を遣わせてしまい、負担に感じさせてしまう可能性があります。
日頃の感謝の気持ちを伝えるのにふさわしい、質の良い、少しだけ気の利いた品物を選ぶのが良いでしょう。
複数人で出産祝いを贈る場合
部署のメンバーなど、複数人の連名で贈る場合は、一人あたりの負担額を考慮して、全体の予算を決めます。一人あたりの金額は、1,000円から3,000円程度が相場です。例えば、10人の部署で一人2,000円ずつ集めれば、合計20,000円の予算となり、個人ではなかなか手が出ないような、少しグレードの高いベビー用品などを選ぶことができます。
連名で贈ることで、一人ひとりの負担は少なく、かつ見栄えのする贈り物ができ、上司への気遣いも示せるため、職場での出産祝いとしては最も一般的な形です。
上司へ出産祝いを贈る際のマナー
お祝いの気持ちを正しく伝えるために、社会人として知っておくべき基本的なマナーを確認しておきましょう。
のしの書き方
品物に「のし紙」をかけることで、改まったお祝いの気持ちを示すことができます。
- 水引: 何度あっても喜ばしいお祝い事であるため、紅白の「蝶結び(花結び)」の水引を選びます。一度きりのお祝い事に使う「結び切り」はマナー違反です。
- 表書き: 水引の上段中央に、「御出産御祝」「御祝」などと書きます。
- 名入れ: 水引の下段中央に、贈り主の名前を書きます。個人で贈る場合はフルネームを、連名の場合は、役職が上の人から順に右から左へ書きます。4名以上の場合は、代表者の名前を書き、その左に「外一同」と記し、全員の名前は別紙に書いて中袋に入れます。
関連記事:出産祝いにのし紙は必要?選び方や書き方をわかりやすく解説
現金や商品券は基本的にNG
友人や後輩へのお祝いでは、好きなものを買ってもらえる現金や商品券は喜ばれることもあります。しかし、目上の方である上司に対しては、避けるのが無難です。 現金や商品券は、金額が直接分かってしまうため、相手に気を遣わせるだけでなく、「お金に困っていると思われているのだろうか」と受け取られ、失礼にあたる可能性があるからです。
感謝の気持ちが伝わる、心のこもった「品物」を選ぶのが、上司へのお祝いの基本マナーです。
出産祝いを贈る時期は、生後1週間~1か月がベスト
出産祝いを渡すタイミングにも配慮が必要です。出産の報告を受けたら、すぐにでも駆けつけてお祝いしたい気持ちになりますが、産後すぐは母子ともに体調が不安定で、来客対応が大きな負担になることがあります。 お祝いを贈る最適な時期は、母子の生活が少し落ち着き始める、生後1週間から1ヶ月くらいの間とされています。
直接手渡しする場合は、必ず事前に上司の都合を確認し、長居はせずに早めに引き上げるのがマナーです。郵送で贈る場合も、この期間内に届くように手配しましょう。
上司への出産祝いを選ぶ際のポイント

マナーを押さえた上で、実際に喜んでもらえるギフトを選ぶための、3つの重要なポイントをご紹介します。
ポイント①お母さんの好みに合ったものを選ぶ
出産祝いは、生まれてきた赤ちゃんへのプレゼントであると同時に、出産という大仕事を終えた奥様(お母さん)への、労いと祝福の気持ちを伝えるものでもあります。上司の好みだけでなく、奥様の好きなブランドやテイストを、それとなくリサーチできると、より心のこもった贈り物になります。
「奥様、〇〇がお好きだと伺ったので…」という一言を添えれば、上司もきっと喜んでくれるはずです。
ポイント②赤ちゃんの性別に合ったものを選ぶ
生まれてきた赤ちゃんの性別が分かっている場合は、それに合わせた色のベビー服やおもちゃを選ぶのも良いでしょう。ただし、パパ・ママの中には、ジェンダーにとらわれない、ユニセックスなデザインを好む方も増えています。ピンクやブルーといった典型的な色にこだわらず、イエローやグリーン、あるいはベージュやグレーといった、性別を問わず使える、落ち着いた色合いのアイテムを選ぶと、よりセンスの良さが伝わります。
関連記事:男の子向けの出産祝いは何を贈ればいい?おすすめの商品8選
ポイント③大型のギフトは避ける
ベビーベッドやベビーカー、チャイルドシートといった大型のベビー用品は、非常に助かる贈り物である一方、すでに自分たちで用意していたり、他の人からもらったりしている可能性が高いアイテムです。
また、家のスペースや車のサイズに合わない、といった問題も起こりがちです。もし、こうした大型のギフトを贈りたい場合は、必ず事前に上司本人に「お祝いとして、〇〇を贈りたいと考えているのですが、いかがでしょうか?」と、直接確認を取るのが絶対のルールです。
上司への出産祝いにおすすめのギフト
ここでは、ビジネスマナーを守りつつ、上司や奥様、そして赤ちゃんにも喜んでもらえる、おすすめのギフトをジャンル別にご紹介します。
おもちゃ
赤ちゃんの成長を促す、質の良いおもちゃは、出産祝いの定番です。口に入れても安全な天然素材のものや、五感を優しく刺激する、デザイン性の高い知育玩具などが喜ばれます。
HOPPL コロコロキッチン
成長に合わせて、キッチンにもデスクにもなる、長く使える木製のおままごとセットです。お子様の豊かな想像力を育み、親子の楽しい時間を演出します。
amanoppo ふんわりえほん りすくんのさくらんぼ探し cocory friends
赤ちゃんの初めての絵本にぴったりな、布製の柔らかい絵本です。優しい手触りと、可愛らしいキャラクターが、赤ちゃんの五感を優しく刺激します。
実用的なアイテム
毎日の育児の負担を、少しでも軽くしてくれる実用的なアイテムは、パパ・ママにとって何より嬉しい贈り物です。
HOPPL Move マガジンラックパーツ
ベビーベッドなどに取り付けられる、便利な収納ラックです。
おむつや絵本など、赤ちゃんの身の回りのものをすっきりと整理できます。
ROTOTObebe 授乳クッション
授乳時のママの腕や腰への負担を和らげてくれる、必須アイテムです。産後で体力を消耗している奥様への、優しい心遣いが伝わるプレゼントです。
ビブ
ビブ(よだれかけ)は、毎日何枚も使う消耗品なので、いくつあっても困りません。普段使いのシンプルなものとは別に、オーガニックコットンなどの上質な素材で作られた、少しお洒落なデザインのものを贈ると、お出かけ用として喜ばれます。名入れサービスを利用して、赤ちゃんの名前を入れて贈るのも特別感が出ます。
カタログギフト
「相手の好みが全く分からない」
「他の人からの贈り物と、かぶってしまうのが怖い」
という場合に、最も確実で失敗のない選択肢が、カタログギフトです。ベビー用品に特化したカタログギフトなら、上司ご夫婦が、その時点で本当に必要としているものを、自分たちの好きなデザインで選ぶことができます。贈る側も悩む必要がなく、もらう側も本当に欲しいものが手に入る、双方にとってメリットの大きい贈り物です。
おむつケーキ
紙おむつをケーキのようにデコレーションした「おむつケーキ」は、見た目も華やかで、かつ非常に実用的なアイテムとして、出産祝いの定番となっています。おむつだけでなく、ベビーソックスやおもちゃ、ビブなどがセットになっているものも多く、開ける楽しみもあります。ただし、衛生面を考慮し、きちんと個包装されているものを選びましょう。
名入れグッズ
赤ちゃんの名前を入れて贈る「名入れグッズ」は、世界に一つだけの特別なプレゼントになります。ベビーバスローブや、木のおもちゃ、銀のスプーンなどに名前を刻印することで、「あなたのために、これを選びました」という、特別な想いを伝えることができます。ただし、名前の漢字を間違えるといったことがないよう、正確な字を確認することが絶対条件です。
上司への出産祝いは関係性とタイミングを考慮しよう
お世話になっている上司へ贈る出産祝いについて、守るべきマナーや金額の相場、そしておすすめのギフトを詳しく解説しました。
上司への出産祝い選びで最も大切なのは、高価な品物を贈ることではありません。それは、ビジネスマナーという相手への敬意を守り、出産という大仕事を終えた奥様を労い、そして新しく生まれてきた赤ちゃんの健やかな成長を願う、その温かい「心遣い」です。
その祝福の気持ちを、どんな形にして届けるか。ぜひ、この記事を参考に、上司ご夫婦の笑顔を思い浮かべながら、最高のプレゼントを選んでみてください。
そして、もし「上司への贈り物だからこそ、ありきたりなものではなく、品質とデザインにこだわった、本当に良いものを贈りたい」とお考えでしたら、ぜひpopomiのオンラインショップをご利用ください。